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国際ロマンス詐欺の手口は男女で違いがある?①

実は2021年の春頃までは、男女によって相手方の“攻め方”はニュアンスに違いがありました。

入口が恋愛感情なのはどちらも一緒ですが、男性の場合はかなり早い段階で投資話がメインになってきます。

もちろん恋愛要素はありますが、

「私は日本人が好きだ」
「そして私はあなた(のような人)が好きだ」
「ただ、私と同等の経済力を持っていてほしい」
「実は私は副業で投資を行っていて、毎月数十万から数百万円の収益がある」
「これをあなたにも紹介するから一緒に儲けよう」
「そして二人の仲が深まったら結婚しよう」

といったような理論で攻めてきます。

しかし、女性相手にはもっとロマンス要素が強くなります。

相手の国籍は欧米で、中東や東南アジアの紛争地域で勤務する医師や軍人、国際ジャーナリストなどの生命の危機が付いて回る職業という設定が多かったようです。

これは、詐欺師側に幾つかのメリットがあります。ひとつは「生命の危機と隣り合わせにある」というドキドキした気持ちが恋愛感情に変換される、いわゆる“吊り橋効果”を狙ったもので、一般の会社員よりも恋愛に陥りやすい環境を準備しているのです。

そしてもうひとつが「無理難題を突きつけやすい」ことです。それこそ一般の会社員には起こり得ない「超高額な資金移動」や「軍専用の口座」など、イレギュラーなオーダーでも信じ込ませることが容易になります。そうしたお膳立ての上で、facebookのDMなどを通じて、

「私には1/4日本人の血が流れている」
「私は日本人が好きだ」
「そして私はあなた(のような人)が好きだ」
「将来は日本で暮らしたい」
「その時は一緒に暮らそう」

といった論調で迫ってきます。本気度の証明として、高額な送金をすると伝える場合もあります。

といっても、この送金が途中(税関など)でストップされてしまい、再度送る手続きをするための保証金を肩代わりしてほしい、という流れにつながっていくのですが。

ただ、2021年の夏以降、この女性向けの“仕掛け”に変化があらわれています。次回のコラムでは、その変化について言及いたします。

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