【ワンルーム投資詐欺】「推し」に騙され二束三文のワンルームマンションを購入した懺悔録

【ワンルーム投資詐欺】

◆被害者プロフィール

  • ペンネーム:佐藤一馬
  • 年齢:30歳

簡単に自己紹介します。

30代男性・SEです。

いわゆるオタクで、貯金も稼ぎも基本的に推しに捧げる人生を送っています。

今回、推しに騙されて二束三文の物件を買わされました。

購入して3ヶ月弱なのですが、今から思うと完全に騙されたと後悔しています。

推しとも連絡は取れません。

何が悪かったのか? なぜそんなことになったのか? どうしてこうなったのか? そしてこれからどうすればいいのか?

正直まだあまり理解していませんが、備忘録がてら寄稿させていただくことになりました。

※寄稿というのは、元々僕がオタ活界隈でブロガーをしているためです。

色々な事情で今回は匿名希望ということで、ひとつよろしくお願いいたします。

地下アイドルを追いかけ続ける日々

地下アイドルを追いかけ続ける日々

冒頭でも書いた通り、僕は普段「オタ活」というものを行っています。

主に「地下アイドル」というジャンルを追っているのですが、このジャンルには様々なファンが存在します。
同じファンであっても色々立ち位置は勿論あるでしょうし、また、「ガチ恋勢」と呼ばれる方もいます。

というか僕はこのガチ恋勢に入ると思います。

そして、地下アイドルを追いかけているということは当然彼女たちに会いに行く必要があります。

彼女たちに会いに行くためには当然費用が発生します。

幸いにして仕事でもそこそこの給料を貰っていますし、亡き父の遺産もあって生活には困っていないのですが、その資金源であるライブ遠征費を稼ぐために働いております。

そして彼女たちの旬はあっという間に過ぎ去っていくため、とにかく一度推したら最後まで全ツッパが僕のスタイルです。

結果としてライブ・遠征費用はどんどんかさんでいきます。

そうすると必然的に僕の懐具合も苦しくなります。

そんなとき「これ、いいかもなぁ……」と思い始めたのがワンルーム投資だったわけです。

なんせ、ワンルームですから費用も数百万~2,000もあれば行ける物件が多いですよね。

投資に踏み切るならこのタイミングかな・・・と漠然と考えているところでは、確かにありました。

「引き寄せ」た?

「引き寄せ」た?

ところで「引き寄せ」がどうこうみたいな、そういう話ってあるじゃないですか。

僕、あれは仕組みとかは一旦置いておくとしても結構好きなんですよ。

思考は具現化するっていう話もありますし。

んで、今回は「引き寄せ」ました。

「地下アイドルみたいに可愛く、偶然趣味を通じて出会い、さらにワンルームマンションの営業担当」という女の子に。

出会ってしまった「推し」

出会ってしまった「推し」

ある現場(※ライブのこと)でのことでした。

いつもの様に推しに会いに行くガチ恋勢をしていた僕ですが、会場で見つけてしまったのです。

「えっ、あの子めっちゃ可愛いんだけど・・・!」ってなるような子を。

その子を見つけてからというもの、僕はその子のことが気になって仕方がありませんでした。

これがガチ恋か、と思いました。

ただ、相手もこちらの存在に気づいているのかいないのか分からないので、こちらからは声をかけられないジレンマに陥ります。

結局ライブ終了後まで特に何もできずじまいでした。

これがいわゆる「一目惚れ」なのか・・・?と、かなり衝撃を受けていました。

そしてライブ終了後。

物販もそこそこに会場を出た僕。

そこで再び「引き寄せ」ました。

彼女の方から近づいてきて話しかけてくれたのです。

スマホの電池が切れてしまって、地図アプリが開けないので某駅までの道を教えて欲しいとのことでした。

もう僕は天にも昇りそうな気持ちでした。

「はい喜んでー!!」って感じです。

しかし冷静に考えると、こんなに都合よく話が進むはずがない。何かある。絶対に何かある。

きっとこれは罠だ!そう思い、警戒心MAXで塩対応していたのですが、、、

「お兄さん優しそうだったんで・・・勇気を出して話しかけてよかったです!」と。

ダメでした。落ちました。

この瞬間から、彼女は僕の「推し」になりました。

駅までの道中で連絡先を交換

駅までの道中で連絡先を交換

結局、駅に着くまでの間、ずっと彼女とは話しっぱなしでした。

推しのことを聞かれたら答えざるを得ないですし、そもそも僕に共通の話題なんて、推しの話くらいしかありません。

推しの布教活動はオタクにとって基本中の基本ですし。

ただ、僕の興味は完全に彼女に傾いていたと思います。

そして道中、彼女がいま配信者活動をしているアイドルの卵で、自分の活動について悩んでいるということを話してくれました。

「もしよければ今度相談に乗って欲しい」という提案を受けて、僕は即座にオーケーを出します。

僕には断る理由が見つかりませんから。

ただ、この時点ではまだ、「あぁ可愛いなぁ・・・」程度にしか思っていませんでした。

まぁ、確かにめっちゃかわいいですけどね。

顔立ちは整っているし、スタイルもいいし、ちょっと天然入ってる感じだし。

でも正直、それぐらいにしか思っていなかったわけです。

でも、さらに話を聞くと「夢のために今、仕事は不動産業界を選んで頑張っている」という発言が。

ここで僕は「あ、ワンルーム投資の話聞けるじゃん」と直感しました。

「もしかしてワンルームとかも取り扱い出来る感じ?」って聞いたら、めちゃくちゃ食いついてきたので。

「あ、やっぱりね」って。

推しへの想いが暴走

推しへの想いが暴走

こうして僕は、今思えばまんまと彼女に乗せられて、連絡先を交換し、さらに下心もあってワンルーム投資の話題もするようになりました。

それが運の尽き。

その後、現場も含めて何回か会ってはいたのですが、段々とその関係が変わっていきます。

徐々にオタ活仲間から、客とカモの関係に。

最初はオタ活の話題でも普通に盛り上がっていたんですが、徐々にその会話のペースが落ちていきます。

というのも、彼女の仕事が忙しく、最近は接待でオジサンと飲みに行く機会も多いそうです。

さらに上司にも営業成績で詰められているらしく、オタ活の話になると、どうもだんだん話が途切れがちになっていきます。

「あれ、なんか楽しくなさそう・・・?」

と思いながら、僕はカンフル剤みたいな感じでちょいちょいワンルーム投資の話を混ぜていくのですが、すると彼女はキラキラとした雰囲気で話に乗ってきます。

通話が来ることもしばしば。

これで僕は気づきます。

「この子の営業成績を上げてやれば、もっと仲良くなれるのでは!?」って。

バカでしかありません。

「よし、推しのためだ。やるぞ!」

という気持ちになって、僕はワンルームマンション投資を本気で始めることを決意します。

彼女への依頼

彼女への依頼

ある日、彼女から「仕事の愚痴を聴いて欲しいから飲みに連れて行って欲しい」と頼まれます。

僕はそれを快諾。

実際に飲みに行った時、僕は意を決して彼女に「あのさ、俺が投資するワンルームマンションの案内とか出来ないかな? もしよかったらだけど。ほら、君の仕事の手助けになるかもしれないしさ」と言います。
すると彼女は、「実は・・・お願いしようと思っていたところなんですよ! 私から切り出そうかと思っていたところで」と。

僕と彼女の利害が一致します。(注:していない)

僕からは「ワンルーム投資が初心者なので、予算は2000万くらい、家賃収入が重要だから、できればほぼ満室経営の物件で一部屋欲しいんだ」と伝えます。
すると彼女は「任せて!」と胸を叩きます。

それがまた可愛い!そして、聞き捨てならない一言。

「〇〇さんに利益が出るのは、私の将来の利益にも繋がりますよね。・・・儲かったら、養って下さいね?(笑)」と。

これはもしかして・・・もしかするか!?と期待してしまいますよね。

だって、養って下さいね?・・・は、もうアレじゃないですか。

邪推してしまうのは仕方ないですよね?

ザ・猛攻

ザ・猛攻

そして翌日から彼女の猛攻が始まりました。

今までの3倍、いや4倍は連絡が密になり、会う時間も増えました。

僕が何か言う前に、「〇〇さんが欲しいと思ってる物件、調べておいたから!」と、事前に僕が欲しいと欲していた物件情報を的確に提供してくれるようになりました。

しかも資料付きで。

「ありがとう、助かるよ」と素直に感謝を伝えたいところですが、ここで僕の脳内に「もしかしてこいつ、ワンルーム投資詐欺してるんじゃ・・・」という疑念が浮かんできました。

自慢じゃないですが、もし「全日本非モテ選手権」があれば僕は強化選手入り間違いなしの男です。

「もしかしてワンルーム投資詐欺じゃないだろうな」と問い詰めたい気持ちが無かったかと言えば嘘になりますが、ぐっと堪えて黙っていました。

そもそも可愛いし、連絡来るし、僕からすればバラ色の日々というやつでした。

「まだ早い。もっと彼女のことを信じよう」
「推しを信じよう」

と自分に言い聞かせました。

そんな僕の逡巡を知ってか知らずか、彼女からは連日、

  • 物件に関する話
  • 僕の故郷や両親に関する話
  • オタ活の話が少し
  • そして少しセンシティブな話
  • 他愛もない話

と、様々な話が送られてきました。

そんなこんなで時間が経ちました。

【懺悔】彼女からの物件紹介で即決しました

【懺悔】彼女からの物件紹介で即決しました

しばらくして、彼女から「物件候補が出てきたよ」という連絡が来ました。

僕なりに勉強した知識を元に情報を精査しましたが、どれも好条件でした。

金額も想定内です。

僕は彼女が提案してきたうちの1つを選びました。

「この物件に決めようかなと思っているんだけど」
「そっかぁ、よかった!」

と、嬉しそうな返事が返ってきました。

ローンは彼女の上司が・・・

ローンは彼女の上司が・・・

ひとつ、問題がありました。

僕の預貯金を全額使ってしまうのは流石にリスクがあるので、物件購入はローンにしようという話です。

ただ、年収はそこそこあると言えども現在の職場に転職してからの年数が浅く、恐らく審査は厳しいのではないか・・・という考えもありました。

しかしこれも彼女に相談すると「ああ、、そこは私の上司が相談に乗れると思う!契約の御礼もしたいそうなので、会いましょうか」と彼女のオフィスに連れて行ってもらいました。

そこで初めて上司の方と話しましたが、これがまたバリバリのイケイケ不動産屋という感じで、変な話ですが頼りがいもあるダークヒーロー的な印象を受けました。

ローンについては「こちらで色々調整しますので、〇〇さんは何もせず、そのまま私どもがお願いする通りにしてください」というだけでしたが、僕が完全に信じ込んでしまったのもあり、特に書面も流し読み程度でいくつかサインをした様な記憶があります。

契約日当日

契約日当日

信じられないほどスムーズに「ローン、OK出ました」と連絡があったのが数日後。

ただし、この時、自分の会社に在籍確認の電話などは一切来ていなかった様な気がします。

今思えば、色々「してやられた」のではないかと思います。

そして善は急げとばかりに、契約日はすぐにやってきました。

不動産業界はもともと早いもの勝ちの世界なので、分かっていはいましたが・・・それでも早いなという印象でした。

彼女から「契約の難しい部分は私がしておくし、一緒に行くから安心して!」と事前に言われました。

そして申し訳ないですが、ここは非常にスムーズだったので特に備忘録として残すべきシーンがありません。。

契約後、連絡のつかぬ推し

契約後、連絡のつかぬ推し

契約後、お祝いもかねて彼女を飲みに誘ったのですが・・・

まさかの「ごめん!いまちょっと契約関係で忙しくて。しばらく連絡つかないかも」と言われてしまいます。

まぁ確かに、彼女も営業職なのでこういうことはあるのでしょう。

ただ、それならそれで事前に連絡のひとつもくれればいいのに・・・と。

でも僕は「あぁ、分かったよ。またね」とだけ返します。

連絡が取れなくなって半月以上経過

連絡が取れなくなって半月以上経過

その後も僕は、相変わらず彼女との連絡は欠かしませんでした。

というより、僕が一方的に話し続けていた感じでした。

いつもの様に不動産投資の話を織り交ぜながらオタ活の話をしたり、彼女も仕事で忙しいのでなかなか既読が付かないのは当たり前だとは思いつつも、それでも「連絡が欲しい」という思いはありました。

しかし一向に連絡は取れず。

疑念が確信に

疑いたくはなかったですが、ここまで来ると疑惑は晴れません。

僕はまず最初にワンルーム投資詐欺に引っかかっているのではないかと疑い始めました。

もちろん、すぐに彼女に連絡を取りました。

しかし繋がらない。

メッセージの既読も付かなくなりました。

さらに、満室物件だったはずの物件も、現地に行くと明らかに空室が目立ちます。

僕が購入した部屋も入居者なし。

この時点で僕は「念のため、彼女から聞いていた売却査定額も本当か調べよう」と思い、物件の査定を進めていました。

物件が売れるのはいいことです。

結果。

  • そもそも入居者アリと聞いていた物件→入居者なし(居住実態なし)の空室
  • 物件査定金額→複数業者が口を揃えて「いいとこ数百万」と回答

これで、僕の推しは詐欺師であることが確定しました。

消えた推し

消えた推し

正直、もう完全に詐欺に遭ったことは認識してはいたのですが、やはり僕はその事実を受け入れることが出来ていませんでした。

もしかしたら、彼女から「これからは二人で頑張ろうね!」という連絡が来るかもしれないし、もしくは、「実は私、あの物件の件は本当に困っていて・・・」という風に話を切り出される可能性もあると思っていました。

しかし、彼女の消息は分からないまま。

会社に連絡をしましたが「当社は仲介しただけなので・・・」と門前払い。

推しの彼女のことも個人情報を盾に教えてもらえませんでした。

返金?泣き寝入り?

返金?泣き寝入り?

今はこうして懺悔録を寄稿させていただきながら思考を整理していますが、やはり根底には「バカにされた」「心の傷は深い」という気持ちがあり、せめて返金を受けるくらいは、やってもバチは当たらないのでは?と考えています。

少なくとも、相談出来るところには相談し、今後立ち直っていくためにもきちんと行動していきたいと思います。

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