名前:遠藤正和 えんどう・まさかず(仮名)
性別:男性 年齢:55歳
子ども:自身が37歳の時に長男誕生、数歳離れて弟もいる
職業:経営者(整体院経営)
被害額:500万円
今日は、わたしが被害に遭ってしまった詐欺についてお話ししようと思います。
「え?たったこれだけのことで、こんなに大きな被害に遭うの?」と思われるかもしれません。なにより、わたし自身がいまだに信じられない気持ちです。
それでも、わたしが苦労して貯めた500万円を失ってしまったことは、紛れもない事実なのです。
悔しいし、恥ずかしい話なのですが、この話を知ることで、わたしのような詐欺に遭う人が少しでも減ればいいな、と思っています。
わたしは、学生時代はサッカー選手を目指し頑張っておりましたが、腰を痛めてしまい選手の道は断念しました。
その後、身体のケアや怪我の予防に興味を持ったわたしは、整体師を多く送り出している専門学校を卒業して、整体師を何人かかかえる整体院で働いていました。
その整体院は居心地の良い職場でしたが、40代も中盤に差し掛かった頃、開業して自分の院を持つことも視野に入れ始めました。
とはいえ、整体院は経営が不安定だと聞いていましたし、近所にはすでに整体院や接骨院がいくつもありましたので、「開業したとしても本当にやっていけるだろうか」と不安はぬぐえませんでした。
しかし35歳の時に結婚した妻が、「人生は一度きりなのだからやりたいことをやったらいいわ」と背中を押してくれたこともあり、開業に向けて本気で取り組むことにしました。
整体院から帰ってきてからも、すぐに経営の勉強に取り掛かる毎日を過ごしました。あの頃のわたしは知識を増やそうと必死だったと思います。
その努力の甲斐もあって、47歳の時に満を持して地元に整体院を開業することができました。
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1.初心に帰って、まずは1人からのスタート
当初の心配をよそに、開業した整体院の経営は安定しておりました。
かつて同じサッカー部で時間を過ごした仲間たちも、整体院に患者としてやってきてくれました。
わたしと同世代の彼らはわたしと同じように歳を重ね、腰痛やひざ痛などをかかえる身になっていました。
まずは誰かを雇うなどせず、自分ひとりで始めた整体院でしたが、そんなこんなでありがたいことに予約も増え、スケジュールが追い付かなくなっていきました。
整体院を開業してみて改めて痛感したのは、経営の仕事の忙しさです。
施術だけでなく毎月の帳簿付けなどに追われ、せっかく地元に開業したのに、家事や子育てにまで手が回りませんでした。
そんなわたしに、開業を応援してくれていた妻は、文句も言わずについてきてくれました。
「家のことはわたしがやるから心配しないで!」と、家事や育児を手抜きすることなく、わたしを支えてくれました。
2.経営は安定、従業員を1人雇える余裕も出てきた
とはいえ、このままではよくないなと思い、経営も安定していたこともあり、開業してから2年目に、従業員を一人雇うことにしました。
彼は若いながらも腕は確かで、整体院にとってかなり助かる存在でした。
これで少しは余裕ができるかな、とも思ったのですが、従業員の彼の評判のよさのおかげで、さらに患者は増えて(もちろんありがたいことなのですが)、忙しいことに変わりはありませんでした。
そんなわけで、開業当時と変わらず、自宅のことは妻に任せきりな状態が続いていました。
3.子どもと関わる時間を大切にできるように
開業して3年目、私が37歳の時に生まれた長男も中学生になり、部活を頑張るようになりました。
しかもわたしと同じサッカー部。特に望んだわけではないのに面白いものです。次男も小学生となりました。
周囲の父親よりは少し年齢が高めのわたしですが、いわゆる「パパ友」もできました。
特に次男の方の「パパ友」は、まだ20代や30代のひとたちも多く、最初は不安でしたが、親切な彼らのおかげもあって、溶け込むことができました。
そして、年齢が高めだからでしょうか、地域でも息子たちの学校関連でも役割を任せられることが増えていきました。
今まで子育てを妻に任せっきりだった負い目もあってか、これらのことを率先してやるようになり、忙しいながらも充実した毎日でした。
妻は妻で、長男の部活関連では他の親を先導したり、面倒な町内会の集まりにも顔を出してくれました。
もともとが社交的なタイプなので、わたし以上にそういうことに向いていたのかもしれません。
わたしにはもったいないような妻ですが、見栄を張りがちという悪いくせがあります。
ある日、パパ友の一人と話していたら、わたしが妻にブランド品のバッグを買ってあげた話を知っていました。
妻には「そういうのはほどほどにな」と伝えておきました。
4.最近のPTA連絡はスマホで可能
地域や子どもたちの集まりに関わるようになって気づいたことは、「こんなところにもデジタル化は進んでいるのだなあ……」ということでした。
確かに、整体院でもパソコン上で処理するものが増えていますし、若い従業員の彼は「患者さんの予約管理とかにもパソコンやスマホをもっと活用しましょうよ!そしたらもっと楽になりますよ」とよく言われます。
彼からのすすめもあり、整体院のホームページも作って、そこで整体院の宣伝や、地域での活動といった日々の出来事などを発信はしていますが、記事の編集やアップは彼にやってもらっています。デジタルなことにはいまだに慣れません。
自分が子どもの頃には、PTAの連絡や学校からのお知らせなどは、すべて紙ベースだったと記憶しています(パソコンや携帯電話が普及したのだってわたしが整体院に勤め始めてから、でしたし)。
しかし最近では、PTAの連絡もスマホでのやりとりがメインになっています。これも時代の流れなのでしょう。
5.あやしいリンクにアクセスしてしまった・・・何も起きずひと安心
そんなある日のこと、珍しく私のスマホに仕事関連の連絡(お仕事のご依頼、とありました)が届きました。
「これは急ぎの案件かも」と思い、その連絡メッセージに書かれていたリンクにアクセスしてみました。
しかし、よく見てみるとそのリンク先は普段使うページではないことに気づきました。
インターネットには疎いとはいえ、変なサイトに行ってしまうとお金を請求されたりする、といったトラブルがあることは知っていましたので、慌ててページを閉じました。
何か起こってしまうのではと心配になりましたが、お金を請求されたり変な画面が表示されたりすることはなかったので、3日後にはそんなことも忘れ、毎日の業務をこなしていました。
6.電話ができない?インターネットも繋がらない
「そういえば、あれ以来わたしのところには連絡がないなあ、連絡があったあの件はどうなったのだろう・・・」
いつもの業務をこなしながら、ふと気になって、施術の合間にパパ友のひとりに連絡を取ろうと電話を掛けようとしました。
ところが、電話が掛けられないのです。
「あれ?最近よく聞く通信障害ってやつかな?」
そう思い、自宅にいる妻に確認のLINEを送ろうとしたのですが、LINEでのメッセージの送信もできないのです。
妻とも連絡がつかないのは流石に困るので、昼休みにいったん帰宅して、妻に話を聞いてみました。
すると、妻のスマホはその時間でも問題なく使えていたとのこと。
ところが、自分のスマホは、電話もLINEもできずまだつながらない状態のまま・・・
わたしと妻は同じ携帯電話会社なのですから、どうやら通信障害ではなさそうです。
7.キャリア店員「そちらの番号は解約済みですが・・・」
不安になったわたしは、仕事を終えた後、急いで携帯ショップに足を運び、店員にこれまでの流れや起こっている問題を説明して、確認を待つことにしました。
そして不思議そうな顔をしながら戻ってきた店員から衝撃のひと言が返ってきました。
「3日前に遠藤さまから紛失の連絡があり、古いSIMカードの解約の手続きののちに、新しいSIMカードに移行済みとなっておりますが・・・」
もちろん解約した覚えはありません。
何が起こったのかわからず混乱するわたしの頭に浮かんだのは、あの妙なサイトのことでした。
思い当たるものはあれぐらいしかありません。
ここでなにか面倒なトラブルに巻き込まれたのだ、と気づきました。
店員に事情を説明するも、キャリア側としてはどうすることもできないとの返答しか得られませんでした。
8.被害はネットバンキングにも
携帯ショップからの帰り道、ふと嫌な予感がしたので急いで帰宅し、家のパソコンを開いてネットバンキングにアクセスしてみました。
嫌な予感は的中しました。残高が減っていました。
これまでに苦労して貯めてきて、今後の整体院の経営や長男の次男の教育費のために活用していくことを考えていた500万円が、そっくり無くなっていました。
物品の購入や従業員への支払いなどに便利だと思い、妻に協力してもらいながら導入したネットバンキングですが、先日、仕事場の改装の関係で引き出し・振込上限を数百万円に引き上げていたこともアダとなりました。
あの妙なサイトにアクセスしてから電話が掛けられないことに気づくまでの3日間で、やられてしまったようです。
9. 被害額の返済にむけて
妙なサイトにアクセスしたばかりに発生したこの被害は、自分のほんのわずかな落ち度が原因とはいえ、被害に変わりはありません。
たった一回、不審なリンクをクリックして、妙なサイトを開いただけで、こんな目に遭うなんて、わたし自身いまだに信じきることができません。
しかし、これは実際にわたしに起こった詐欺なのです。
従業員への支払いや、物品の購入、そろそろかなと考えていた設備の刷新など、整体院の経営にも大きな影響が出るので、被害にあってしまった500万円をどうにか取り返したいと思っています。
しかし、少し法律に詳しい親戚などに事情を話してみても、取り返すのは正直難しいだろうと言われています。
なぜ自分がこの詐欺のターゲットになったのか、考えてみてもわかりませんが、例の整体院のホームページで、PTAとしての活動なども書いていたことがあだになったのかもしれません。
つまり、金を持っている自営業者で、PTA関係の活動にも力を入れているのだ、と思われたのかもしれない、ということです。
例のメッセージを送るためには、どこかでわたしのスマホの電話番号を知る必要があるはずですが、仕事や地域でのひととの繋がりが多いわたしには、どこからそれが漏れてしまったのか、特定することは難しいことでしょう。
従業員の彼には、詐欺被害にあったことを正直に話したのですが、ホームページを始めることをわたしにすすめた彼は少しバツの悪そうな顔をしていました。
もしかすると彼も近々この整体院をやめるかもしれません。
見栄っ張りの妻には、詐欺被害にあったことはパパ友たちには喋るな、と言われてしまいました。
10.同じような被害を出さないために
今回の詐欺の件でわかったことは、インターネット上に自分たちの情報を出すのはほどほどにしたほうが良い、ということでした。
どんな些細な情報からも、個人を特定してきたり、さらにはそれを悪用する人がいるということ知ることができました。
わたしのように、デジタルに疎いけれども、インターネットを(中途半端に)使っているひとはなおさらです。
家族そろって気を付けるとともに、みなさんにも注意していただきたいと心から思っています。