利用価値がなく買い手がつかない不動産について、虚偽の情報によって値上がりすると信じさせて土地を買わせるタイプの詐欺を「原野商法」と呼んでいます。
この原野商法について、栃木県那須塩原市がホームページにおいて2021年11月30日付けで「ご注意!原野商法の二次被害が増えています」という注意喚起をしています。
また、埼玉県がホームページにおいて2020年9月16日付けの「こんな話にはご注意を!」の中で相談の一例として那須の土地に関する詐欺についての注意喚起をしています。
このページでは、原野商法とはどのようなものをいうか確認した上で、那須の土地について行われる原野商法についてお伝えします。
原野商法とは
原野商法とは、原野のような無価値な土地を、値上がりするという虚偽の情報に基づいて購入させるタイプの詐欺です。
山奥にあったり、交通が不便で利用価値がないような土地について、次のような虚偽の情報によって、値上がり確実であると信じさせます。
- 高速道路が通る計画がある
- 新幹線が通る計画がある
- リゾート開発の計画がある
- 水資源地にする計画がある
- 中国人が自分たちの省にするために土地を買っている
実際に購入をしても、これらの話はなく、無価値な不動産を所有させられることになります。
原野商法の法律関係
原野商法によって被害をうけた場合の法律関係を確認しましょう。
民法で売買契約を取り消すことができる
まず売買契約は詐欺に基づくものとして、民法96条1項で取り消すことができます。
契約は無効ではなく取り消すことができるにとどまるので、お金を返してほしい場合にはまずはきちんと取り消す必要があります。
支払ったお金は取り消した上で不当利得返還請求として請求
土地を買うのに支払ったお金は契約を取り消した後に不当利得返還請求として請求することができます。
契約を取り消すと、相手は払ったお金をもっている理由がなくなります。
このような相手に金銭を請求することができる権利を、不当利得返還請求と呼んでいます。
その他の法律の規定にひっかかっていることも多い
以上のほかに、原野商法を行うにあたって、自宅を訪問してきているような場合には、特定商取引法が問題になったり、消費者契約法が問題になったりすることがあります。
刑法上の詐欺罪にもあたりうる
原野商法は、値上がりすると欺いて、お金を交付させるものなので、たとえ自分が不動産を交付していても、刑法上の詐欺罪にもあたります。
そのため、刑事事件にもなりえます。
原野商法の二次被害とは
原野商法の二次被害とは、原野商法の被害者が、さらなる詐欺の被害にあうことをいいます。
例えば、
- 買主が見つかったので測量・整地をすれば紹介するとして、実際に費用をかけて測量・整地をしても買主が見つからない
- 中国人やオーストラリア人が購入することがあるので当社で管理すると管理費を請求するも買主はあらわれず管理費用だけかかる
原野商法の被害にあった人は、その不動産を手放す機会もなくずっと持っているままになっていることが多いです。
そのため、リストになっているなどしてアプローチがしやすく、被害にあいやすく、注意が必要です。
那須の土地と関係する原野商法
それでは、那須の土地と関係する原野商法にはどのようなものがあるかを確認しましょう。
新幹線が通る・リゾート開発の話しがある
那須には現在那須塩原駅という新幹線が通っており、那須高原は那須御用邸に代表されるように温泉や自然を楽しむことができ、東京から比較的近い場所にあることから、人気の観光地です。
新幹線開通の際には、新幹線が通ることに伴う土地の購入を持ちかける者や、リゾート開発の噂があるとして、購入を持ちかける者が多く、北海道・三重県とともに原野商法の対象となることが多くありました。
首都機能移転計画と関連した原野商法
那須に関しては首都機能移転計画と関連した原野商法の可能性が指摘されています。
1999年12月20日に国会等移転審議会は、当時の小渕恵三内閣総理大臣に対して、移転候補地の選定に関する答申を行い、その中で栃木・福島地域が最高得点を獲得しています。
これに伴って、2021年7月より、国会等移転促進のために「キャンプ那須(仮称)」の整備を行うなどで、那須に首都機能移転を誘致しています。
新幹線の開通情報などと併せて、首都機能移転計画があると土地の購入などを打診してくる者のがいるので、その土地が本当に首都機能移転計画の対象になっているのか、栃木県・那須塩原市などのホームページをしっかり確認する必要があります。
原野商法の二次被害
那須塩原市や埼玉県が情報提供をして注意を促しているのが、原野商法の二次被害に関するものです。
那須塩原市では次のようなケースについての注意喚起がされています。
「きちんと測量を行えば、土地を売ることができる」・「原野商法で購入した土地を下取りして、もっと便利な土地を提供する」などといい、高額な測量代や手数料を請求する、という手口。
「立木を伐採して整地すれば高く売れる」と勧誘され、高額な伐採費用を払い、整地後に「買い手の都合が悪くなった」と逃げられる。
参考:那須塩原市
二次被害の被害者にならないように注意をする必要があります。
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原野商法の被害にあったときの対応方法
では、原野商法の被害にあってしまった場合どのような対応をすべきでしょうか。
なるべく早く弁護士に相談
なるべく早く弁護士に相談しましょう。上述したように、契約を取り消したり、お金を返してもらったり、犯人を刑事告訴するなどする必要があるのですが、原野商法のような詐欺を行う者は、連絡がつかなくなってしまったり、そもそも身元がわからないということも珍しくありません。
時間がたてばたつほど被害の回復が難しくなるので、まずは弁護士に相談すべきです。
相手と連絡がつかない・相手が特定できない場合には調査会社に相談も
すでに相手と連絡がつかなくなっているような場合や、相手が特定できないようなケースもあります。
このような場合には、調査会社に相談をして、特定が可能かどうかを検討しましょう。
詐欺をするような知能犯の特定には、インターネットなどを駆使するのが得意な東京中央信用調査のような会社に相談することをおすすめします。
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まとめ
このページでは、那須に関する土地の原野商法について、原野商法とは何か・対応方法などと一緒にお伝えしました。
首都機能移転のため栃木県や那須塩原市動いていることもあり、実際に土地が必要として利用されたり売買の対象になるものある可能性はありますが、全く関係のない土地が首都機能移転と関連づけて取引の対象にされることも考えられます。
被害にあった場合には、なるべく早く弁護士に相談し、相手が特定できないような場合には調査会社に相談をするようにしましょう。
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